今日は最終練習でしたが、
皆様にいい音楽を届けられるよう、イメージを磨いています。
ステージ紹介も今日が最後になります。
第5、第6ステージについて、まとめて紹介いたします。
■出会いと別れ - 昭和のヒットソング
昨年の演奏会で松永ちづるさんに書いていただいた「OKINAWAN J-pop Breeze〜沖縄発J-popの風〜」に引き続き、今年もEvergreenでは人々に愛された昭和のヒットソングを演奏いたします。
今回は1970年代から80年代にかけて人々に親しまれた曲の中から、「出会いと別れ−昭和のヒットソング」と題して、皆さんもよくご存じの3曲を取り上げました。
卒業ソングの定番曲に挙げられる、ユーミンの「卒業写真」、山口百恵が歌ってヒットした「いい日旅立ち」、テレビアニメ「みゆき」のエンディングテーマに起用された「想い出がいっぱい」の3曲について、作曲家の川崎智徳先生に編曲していただきました。明日が初演となります。
1549年、フランシスコ・ザビエルら宣教師によって日本にキリスト教が伝えられましたが、豊臣秀吉によるバテレン追放令、江戸幕府による禁教令などにより、その歴史は苦難に満ちたものでした。本日は、このキリシタン信仰を題材とした2つの作品を演奏いたします。
V.じゆわんさまの島
テクストは歌人馬場あき子氏による短歌と、長崎県生月島の山田集落にて、何百年もの間、口承されてきたカクレキリシタンの歌(さん・じゅあん様の歌、だんじく様の歌)から取られています。じゆわんさまとは山田集落近海の中江ノ島で殉教したジョアン坂本左衛門、ジョアン次郎右衛門らの事を指していると言われています。カクレキリシタンの情念があふれ出るようなクラスターに始まり、生月島を取り巻く絶え間ない波や風の様子が描かれます。短歌とカクレキリシタンの歌の中で、当時の様を思い描く馬場氏の眼差しと、迫害による叫びが描かれた後、16世紀当時にスペインから伝わったとされる聖歌「O gloriosa Domina(おお栄光ある聖母)」の旋律で静かに締めくくられます。
Ave maris stella アヴェ・マリス・ステッラ−花も花なれ、人も人なれ
戦国の世を明智光秀の娘、細川忠興の正室、そしてキリシタンとして生きた細川ガラシャ夫人をテーマにした作品です。ガラシャ夫人に聖母マリアをイメージしたラテン語聖歌Ave maris stellaに始まり、そこに般若心経が重なり(夫人は禅の教理にも明るかったとされます)、天と宇宙を結びつけるような音空間が繰り広げられます。ガラシャ夫人自身の作とされる二首の短歌、とりわけ死を目前にした夫人が詠んだ時世の句「散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ」が、優しくも悲哀の伴う旋律によって歌われます。続いてきりしたん聖歌「あべまりすてら」がユニゾンとカノンにより歌われ、再度夫人の歌と共に締めくくられます。キリシタンとして、日本人として、そして戦国大名の妻として激動の一生を過ごしたガラシャ夫人が、めくるめく音世界の中で織り交ざって表現されていきます。